クラシックでもっとも代表的な「交響曲」。
交響曲といえばオーケストラが演奏しているイメージが浮かびますね。
ですがオーケストラで演奏するもの全てが交響曲ではありません。
交響曲と、他の管弦楽曲(オーケストラで演奏する曲)の違いはどこにあるのか探ってみましょう♪
交響曲の定義
ウィキペディア先生の言葉を少し借りてみます。
交響曲(こうきょうきょく)は、主に管弦楽によって演奏される多楽章からなる大規模な楽曲。
シンフォニー(英:symphony、独:Sinfonie, Symphonie)、シンフォニア(伊:sinfonia)とも呼ばれ「管弦楽のためのソナタ」。
原則として4つ程度の楽章によって構成され、そのうちの少なくとも1つの楽章がソナタ形式であることが定義であるが、特に近現代においては、例外も多い。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2 より
整理するとこういうことになります。
- オーケストラで演奏される主に4楽章構成の曲
- ひとつ以上の楽章がソナタ形式(管弦楽のためのソナタ)
この2点について、もう少し細かく解説いたします。
オーケストラで演奏される主に4楽章構成の曲
楽章とは音楽の章、小説の章と同じように音楽もいくつかの章に分かれています。
交響曲は基本的に4楽章の構成ですが、3楽章や5楽章の交響曲もあります。
(多いものでは10楽章以上もあったり^^;)
4楽章構成というのは厳格な条件ではなく、ただ4楽章構成で作った人が多いというだけです。
全体のバランスがちょうどいい具合に整うのが4楽章構成なのでしょう。
少なくともひとつの楽章がソナタ形式である(管弦楽のためのソナタ)
「ソナタ」と言うのはイタリア語で「演奏されるもの」という意味。
もう少しわかりやすく言えば「楽器のみで演奏される曲」。
つまり「ピアノソナタ」は「ピアノで演奏される曲」です。
「ソナタ形式」と言うのは、ピアノソナタなどの○○ソナタに限らず、「楽器のみで演奏される曲でよく使われる形式」。
少々分かりにくいですが「○○ソナタのための形式」ではありません。
○○ソナタのほとんどでソナタ形式が使われてますが、交響曲でもソナタ形式が使われます。
基本的には第1楽章がソナタ形式。
第1楽章がソナタ形式で作られたピアノ曲が「ピアノ(のための)ソナタ」なら、交響曲は「管弦楽のためのソナタ」という事です。
(管弦楽とはオーケストラのこと)
ソナタ形式が具体的にどういうものかは また別の機会に。
「交響曲」って名前を付けたら交響曲
ウィキペディアにはなかったけど、ある意味 最重要なのがこれ。
作曲家が交響曲だと言えば他の要素が怪しくても交響曲になります( ̄∇ ̄;)
交響曲って実はかなり曖昧なものです^^;
イメージで作られる
交響曲がなぜ曖昧なのかというと、定義ではなくイメージが重要だからです。
料理を例にして考えてみましょう。
あなたがオムライスを作るとします。
もっとも基本的なのは、チキンライス(鶏肉入りケチャップライス)を薄焼き卵で包んだもの。
あなたもそれをイメージして作るはずです。
「オムライスの定義とは何か!」なんて考えもしませんね。
たまたま鶏肉がなければ、ベーコンやソーセージを入れるかもしれない。
チーズが好きならチーズを加えてもいい。
卵で巻かずに半熟オムレツをのせてもいい。
このように適当に作ってもオムライスはオムライスです。
同じように作曲家も「交響曲の定義とは何か!」なんてところからスタートはしません。
特に理由がなければ、4楽章構成で第1楽章がソナタ形式をイメージして作ります。
だけど3楽章で綺麗に作れるなら3楽章でいいし、どうしても5楽章じゃないと理想の形にならないなら5楽章で作ります。
時代が進むにつれてイメージは変化する
ウィキペディアに書いてあった「特に近現代においては、例外も多い」という一文についても考えてみましょう。
オムライスのレシピを調べてみると、様々なものがあります。
最初はオムライスはチキンライスの卵包みばかりだったでしょう。
しかし食べ慣れると、自分なりの一工夫をした、少し違うオムライスも楽しみたいと考えます。
「いつもチキンライスだから具をシーフードにしてみよう」
「シーフードで作ってる人がいたから、私はキノコたっぷりのバターライスにアレンジしよ」とか。
「具がシーフードなら、ホワイトソースをかけてみるといいかも」
「ホワイトソースもいいけど、デミソースを試してみよう」
「デミソースよりもカレーが好きだからカレーオムライス作ろ」
こんな感じに、どんどん一工夫が広がっていきます。
卵アレルギーに配慮した、卵を使わないオムライスもあったりするようです。
交響曲でも、このように時代が進むにつれて、少しずつ変化を繰り返します。
誰かの一工夫に、更に自分なりの一工夫を加えて、いつしか基本スタイルから遠く離れたものとなります。
その結果が「特に近現代においては、例外も多い」というわけです。
(しかし いつの時代も基本スタイルが一番いいと考える人はいます)
基本スタイルが崩れてしまえば、交響曲が交響曲である最後の決め手は「作曲家がそう名づけた」という点になります。
料理も自由、音楽も自由
厳格なイメージのあるクラシック音楽。
その中心的存在の交響曲は、このように意外と適当です。
自由に作られた音楽なので、そんなに堅苦しいものだと思わずに自由に楽しんでください^^
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